樋口一葉の『にごりえ』には鮮烈な驚きを覚えていたので、台東区龍泉の街角にある一葉記念館にはぜひ足を運びたいと思っていた。その辺りはかつて吉原に出入りする職人や商人のまちだったという。街並みの復元図や写真をとおして龍泉寺 […]
糺の森日記
失われた墓を求めて1 浅草
永井荷風の日記(『断腸亭日乗』)には不思議な魅力があって、読み始めると小説とはまた違う味わいに惹き込まれていきます。映画監督の小津安二郎も愛読していたし、ドナルド・キーンの日記論の素材にもされています。 特に東京大空 […]
(番外編)パリの生き物印象記 3 ブラックバード(続き)
ブラックバードと言えばジャズにもありました。「バイ・バイ・ブラックバード」。これは1926年の曲ですが、マイルス・デイビスの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」にも収録されています。 ブラックバード、ブラックバー […]
(番外編)パリの生き物印象記 2 ブラックバード
パリの郊外、夜の闇のなかで高らかに歌う鳥がいました。日本で言えばイカルのような美しい声。最初「これがナイチンゲール(仏名:rossignol、和名:夜鳴き鶯)だろうか」と思いましたが、調べてみるとどうも違う。明け方撮影 […]
(番外編)パリの生き物印象記 1 パリの空港に羊?
シャルル・ド・ゴール空港に到着して、ターミナルを歩いていると窓外で薄茶色の羊が3頭ほど敷地の草を食んでいました。思わず「えっ?」と見とれてしまうような、のどかな風景。ヨーロッパ最大の国際ハブ空港に羊? どうやら除草 […]
(番外編) 南仏の水車の町 リル・シュル・ラ・ソルグ 2
ソルグ川の支流に囲まれた中心街は、東西800メートル、南北600メートルほどしかなく、真ん中に位置する自由広場には教会、観光協会、カフェ、各種商店があって、とても賑わっています。広場から商店街が放射線状に伸び、ウインド […]
(番外編 )南仏の水車の町 リル・シュル・ラ・ソルグ 1
2016年4月はじめ、南仏アヴィニョン近くのリル・シュル・ラ・ソルグを訪れました。パリっ子にたずねても知っている人がほとんどいないような小さな町ですが、詩人ルネ・シャールが生まれ、墓碑もある町なので個人的に関心がありま […]
糺の森と京の潤一郎 2 祇園白川
谷崎はここ下鴨へ移る前、1946年(昭和21年)南禅寺下河原町に居を構えています(前の潺湲亭)。その経緯については「潺湲亭のことその他」として『月と狂言師』のなかに収められています。ところで同じ本のなかに「磯田多桂女の […]
糺の森と京の潤一郎 1 潺湲亭(せんかんてい)
糺の森の泉川に架かる石橋を渡って東へ足をのばし、谷崎潤一郎の潺湲亭をたずねました。現在日新電機の施設となっていますが、潤一郎との約束で当時のままを保存しているとの由。谷崎は1949年(昭和24年)ここに転居し、源氏物語 […]
糺の森の密かな愉しみ 2
セキレイが小川の上をチョンチョンと跳ねていくリズムはとても軽やかで、見ているとこちらまでウキウキします。 ふと梢を見上 […]