12 総合計画     「8,500人で語り合う 『田舎人天国』物語」 兵庫県神埼町
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事例12 総合計画  8500人で語り合う「田舎人天国」物語 兵庫県神崎町

兵庫県の真ん中、神崎町
 神崎町は兵庫県のほぼ真ん中、人口8500人のまちで、かつては農林業のさかんな地域であったが、
全国の中山間地域と同様、農林業離れとサラリーマン化が進んでいる。
 その中でも、公立の総合病院をもち、保健・医療・福祉サービスは手厚く、昼間人口にも貢献している。
 また、いわゆるグリーンツーリズムの試みが早くからなされ、昭和58年にグリーンエコー笠形、平成5
年に新田ふるさと村、平成8年に桜華園、最近では「ヨーデルの森」がオープンし、活況を呈している。

参加と共有の計画づくり
 第4次神崎町長期総合計画の策定が起案されたのが平成10年6月、以来3か年度にわたって策定作業が積
み重ねられた。
 昭和45年の第1次計画から約30年が経過している。かつての行政主導の社会資本整備の時代を過ぎ、住民
がいかにこれらの社会資本を活用するか、住民自身のビジョンやニーズを明らかにし、かつ、共有化し、それ
を支援する行政手法を模索するという180度の方向転換が必要であった。参加と共有の計画づくりへのチャレ
ンジである。

中学生も加わった若手ワーキング
 平成10年7月、役場職員による若手ワーキングが発足。子どもや若者、町外へ転出した人、町外から転入し
た人など、従来あまり意見を聴く機会のなかった人たちを対象にアンケートやインタビューが行われた。
 とくに、神崎中学校の生徒有志が「K.J.H.★ワーカーズ」として加わり、クラブ活動が終わった夕方から若手
ワーキングとともに議論を重ね、作業を分担し合ったことは特筆に値する。

住んでみたい町の理想像  「田舎人天国」
 そのような活動の成果から、若手ワーキングは「長所を伸ばす、良心に従う、自然を生かす」を基本理念と
して「私たちの住んでみたい町の理想像」をまとめた。
 その『時間に追われず のんびり楽しく暮らせる 田舎人天国』という理想像と『ほっとする町、いきいき
した町、ここちよい町』という柱は、基本構想の「まちづくりの目標テーマ」に反映されることになる。

250人が参加した地区別ワークショップ

 平成12年度には、町内4地区で、住民と職員が同じテーブルを囲んでのワークショップが開催された。
その結果は、約100枚におよぶKJ図解とリーダーによる報告書にまとめられた。
 実は、町では初めての経験であったため、まず職員自身がグループワークを体験する必要があり、策定主任
者会や課長会で模擬ワークショップまで行ったという裏話もある。

参加を支える「まちづくりカルテ」
 この他、各種の職員ワークショップや審議会でのグループワークなど、時間が許す限り参加の手法がとられた。
 ワークショップ等の手法は、一人ひとりの「つぶやき」について、違いも含めて共有化するプロセスだが、
「浅く広く」になりやすい。
 都市や地域の将来像について考察するためには、科学的判断が必要であり、そのための現状分析が欠かせない。
それはコンサルタントの責任でもある。
 そこで私たちは、「20世紀の神崎町の歩みはどうだったか、とくにここ10年間のまちづくりや公共投資(イン
プット)はどのように行われたか、その成果(アウトプット、アウトカム)はどうであったか、そして今後の課
題はなにか」について、データを収集、分析し、「まちづくりカルテ」を作成した。
 それは、策定期間中、神崎町のホームページにも公開され、各種議論の参考資料として活用された。

神崎ベンチマークの試み

 ある程度予想されたことではあったが、「まちづくりカルテ」を作成して痛感したのは、まちづくりに関する
インプットとアウトプット、アウトカムの関係を評価するシステムが地方公共団体の中にないということである。
 従来、どのような公共投資をするかという問題は、それによってどんな成果(特にアウトカム)があるか、と
いう視点と結びついていなかった。法律や事業制度、国・県の動向が先行し、それを市町村が取り入れるという
方法が通用したのである。
 そこで、神崎町の場合には、どのような成果をめざすのか、からスタートした。つまり、まちづくりの目標像
である。それは、策定プロジェクトメンバーのワーキングを経て、30個のポエジックな目標像に集約された。
今後は、これらの目標像を実現するために、行政と住民のパートナーシップによる取組みが実行されることになる。
 次に、これらの目標像がどの程度実現されたかを、進行管理していかなければならない。そこで30個の目標像
を数値目標に置き換える作業が行われ、41個の神崎ベンチマークが設定された。
 数値目標というのは独特のリアリティをもっているため、それは簡単な作業ではなかったが、議論が白熱し、
課題や目標の共有化を深めることができたと思う。また、例えば環境や人権など数値化できない大切な課題もいっ
そう浮きぼりにされた。
 第4次長期総合計画が議決された現在、これをしっかりと実現し、進行管理していくために、神崎ベンチマーク
とこれに関連する施策プログラムについて定期的に「棚卸し」をし、事業計画に反映していく行政評価システムの
導入に取り組んでいるところである。

まちづくりのイメージ体系
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