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埋もれた地域資源の掘り起こし(第一部)
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〜忍者の郷、薬業のふるさとの地域おこし〜 社会システム部長 岩溪 達朗
「歴史はあるが、歴史が見えない」
忍者発祥の地として知られる滋賀県甲賀地域だが、そのイメージを伺えるものはないに等しい。
また、薬業発祥の地でもあることから、製薬メーカーが多い地域でもある。
合併によって人口10万人の市の一地域となったが、地域の活力を取り戻したいという住民の意欲は高い。 そのためにまちづくり交付金事業を活用して「歴史の路ネットワーク整備事業」を進めようということになった。もともとは地元住民による資源の掘り起こし活動が地道に進められており、その実績を踏まえて今回は4カ年にわたって観光地整備を進めようというものだ。
当事業計画の目的は、歴史資源を保有しながらも、未整備であった集落において、歴史の路として整備することにより、観光客を誘致し、JR駅利用の拡大を促進するとともに、地域の魅力を再認識してもらうことにある。
そのため、新たに建造物を整備するのではなく、地元の資源の有効活用を図ることが狙いであることから、地元住民が主体となった委員会を組織し、広く意見を交わしながら魅力ある歴史の路整備計画を立案して行くことを確認した。
具体的には神社・仏閣が集積し郷土の香りが漂う地区周辺を対象に、歴史がみえるようするための「歴史の路ネットワーク」の形成を目的とし、まずサイン整備等の基本方針を立てることになった。
つまり、平成17年度は資源の掘り起こしを行ったので、次は観光地としての具体的な整備を進めることになった。そこで、歴史の路の散策ルート設定をおこなった。散策ルートは3つ設定されたが、いずれも1〜2時間くらいで見て回れるようになっている。
歴史資源を丹念に見て回れるようにするためには説明板や道しるべが必要であり、またそのデザインが重要だ。平成19年度は散策ルート沿いに立てかける案内看板、施設説明板それに総合案内看板の設計デザインに取り組むことになっている。

拡大図
地区住民が大切に受け継いできた歴史資源
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平成17から18年にかけて、委員会は詳細な調査を実施し19点の資源を特定した。由緒ある古刹、寺院が7か所、神社が4か所、遺跡が2か所、現存する歴史建物が6か所であった。それらの中でも甲賀忍者発祥の武家屋敷が見所であ
る。周囲を土塁と掘り割りで囲まれた平城で、土塁、掘り割りを備えた歴史的にも貴重な構えが残され、門外不出の貴重な文献も残されている。
また、薬業隆盛の往時を彷彿させる荘厳で豪勢な建築様式の築後100年をゆうに超えている商家屋敷や武家屋敷が現存する。いずれも住宅として現役だ。寺院はいずれも由緒がある |
が、中には西国霊場33か所の札所で平安時代の観音菩薩を本尊とするものの老朽が激しい寺院もある。
また、資源のひとつに明治から続く造り酒屋があり、周辺に漂う酒の甘い香りが店の前を行く人々を立止まらせている。この酒造店の店主は5代目で若く、はやくも観光客を受け入れるために吟醸酒の開発と見学者対応に知恵をしぼっている。「住民の暮らしを守りながら観光振興を図る」
観光地として地区を整備していくためには住民が主体となることが最も重要であり、行政もそのための支援を継続していくとしている。 そのためには、まちづくり交付金事業は地域おこしのきっかけと位置づけする必要がある。同事業が終わってからが本当の地域おこしになるのではないか。
しかし、住民からは観光客が増えると日常生活に影響があるとの意見も聞こえる。観光客のマナーやごみがでるのでは、との心配がでるものだ。少子高齢化が進むとともに住民も高齢者化してくる。地域おこしの主役が年老いて行く前に若い世代に地域おこしを継承していく必要がある。住民のこれまでの暮らしを守り伝統をこれからも継承して行くためにその責務を本計画は担っているのだ。
自分たちの集落の歴史や伝統を守ってきた。そして、それらを活用して観光地にしようということだ。はじめて取り組むことでもあるし、名所づくりが成功するには5年、10年と掛かることから、住民と行政がともに協力しながら活動を継続していくことが求められる。
活動の報告を今後も続けたい。(後編につづく)
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